南天と木蓮

ガーデニング

日本でもよく見かける、赤い実をつける南天の木。
実はここテキサスでも、意外とよく目にします。自然公園や園芸店、そしてなんと、うちの玄関先にも!

この南天、どうやら私よりもずっと前からここに住んでいるようです。
原産地を調べてみると、日本をはじめとする東アジアとのこと。なんと、私と同郷なんですね。ちょっと嬉しくなる発見でした。

いつも赤くて可愛らしい実をたくさんつけているので、「実のなる木」という印象ばかり持っていたのですが、つい最近、初めて花が咲いていることに気づきました。
薄いピンク色の小さな花が、鈴なりに咲いていてとても可憐。今まで全く気づかずにいました。

調べてみると、花が咲いたからといって、必ず実がなるとは限らないそうです。
ということは、これまで毎年のように赤い実を見せてくれていたのは、実はとてもラッキーなことだったんですね。

さらに、日本では南天を玄関先に植えると「火災除け」や「魔除け」になるという、古くからの風習があるそうです。
「難を転ずる(=南天)」という語呂合わせから、縁起の良い木とされているとか。改めて知ると、なんだかとても心強い気がしてきます。

もしかすると、この木をここに植えた人は、そういった意味を知っていたのかもしれません。
それとも、ただの偶然?……いずれにしても、縁起のいい木があるという事はありがたいことです。

南天はとても丈夫な植物で、夏の厳しい暑さにも負けず、冬に雪が積もっても元気にしています。
そういえば、今年は珍しく雪が積もりました。そのとき、南天の実を“おめめ”にして、雪うさぎを作ったんです。

また、南天の実は漢方薬として咳止めにも使われるそうです。
観賞用にも薬用にもなるなんて、本当に有能な植物ですよね。調べてみると、植物の世界って奥深くて面白いなと感じます。

そして最近、ふと思ったことがあります。

南天のすぐ隣に、木蓮(モクレン)の木があるんです。
実はこの2つの木、私にとってとても馴染みのある存在。

父方の実家には南天の木が、母方の実家には木蓮の木がありました。
そんなふうに、両家にゆかりのある木が、今こうして私の暮らす場所で並んでいるなんて……ここはアメリカ、テキサスなんですよ。不思議なご縁を感じてしまいます。

住んで数年経ってからやっと気がつくなんて、ちょっとのんびりしすぎかもしれませんが(笑)
ずっと「なんだか懐かしいな」と感じていた理由が、ようやくわかったような気がしました。

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